果てしなく広がる・・・・鮮やかなコントラスト
夏だけの・・・青と白
俺は今、と一緒に・・・海へ来ている
波打ち際ではしゃぐは・・・眩しいほど輝いていて
俺は・・・・
「ふぅ、危なかった〜流されちゃうところだったね」
スイカのビーチボールを・・・が大事そうに抱えて
・・・俺たちは浜へ戻ってきた
フリルの付いた・・・ピンクの水着が可愛くて
俺は・・・、まともに見ることすら出来なかった
「本当!が張り切りすぎるからやばかったじゃん」
「ごめんごめん、結構風があったからびっくりだったね」
の横にいるのは、藤井奈津実
とは・・・一番仲がいい・・・らしい
そして、その後ろにイルカの浮き輪を持った
・・・長身の色黒、姫条
さらに、紺野珠美・・・男子バスケのマネージャー
それから、男子バスケ部の・・・・・名前は・・・確か鈴鹿
で・・・一番後ろに・・・俺
つまり、俺を含め・・総勢6名での海水浴
事の始まりは、夏休みに入ってすぐにかかってきた電話だった
「とにかく、その日はスケジュール入れないで空けておいて!
葉月くんが一番忙しそうだし、今の内にアポとっておかないとダメだろうからさ」
受話器の向こうの相手は、藤井
「・・・どうして、俺を誘うんだ?」
「だ〜か〜ら、とにかく葉月くん、アンタが居ないとはじまんないわけよ
アタシは別にアンタに興味ないけど、主役にはプレゼントしないといけないじゃん」
「・・・・どういう意味だ?」
「またまた、アンタって結構鈍い?がいるからって言えばわかる?」
「・・・・?」
「そう、その日はの誕生日だから〜みんなでパ〜ッとお祝いしようってな訳」
「・・・・・」
「で、どうなの?まさか断ったりしないでしょうね?」
その電話から・・・約一ヶ月
こうして俺たちは・・・、はばたき海岸に揃って海水浴に来ている
本当だったら・・・、俺がを誘いたかった
でも、藤井が話をもってきているって事は
俺が単独でを誘っても、断られてしまう可能性のほうが高い
そのくらいは・・・、俺にも解かった
随分長い時間、水の中で遊んだ俺たちは
浜に上がって・・・休憩を取ることになった
少し冷えた身体に・・・熱い日差しが降り注ぐ
でも・・夏真っ盛りを少し過ぎた時期だから
時折吹き抜ける・・・風は
季節が秋へ向かっていることを知らせてくれる
女3人が、海の家に飲み物を買いに行って・・・
残された男3人・・・
俺は・・・、レジャーシートの上に横たわって目を閉じる
「なあ、和馬、お前夏の思い出っちゅうんは作ったんか?」
「あん?たまにプール行ったけど、あとは毎日バスケしてたぜ」
「せやなくて、珠美ちゃんとどこまでイったん?」
「どこって、プールくれえだけど?」
「はぁ?この鈍感バスケ男には、どう説明したらええのか、葉月、言うたってくれや」
姫条が、頭をかきながら俺に話を振ってきた
鈴鹿はもちろん姫条の言うことが飲み込めなくて、きょとんとしていた
「高校2年の夏・・・・だよな、今・・」
俺は身体を起こして、海を眺めながら呟いた
「せやろ〜?今しか出来へん事っちゅうたら、ひと夏のロマンスやんか」
「ひと夏の、ロマンスー?なんだそりゃ、姫条、おめえどっかおかしいんじゃねえのか?」
「何がおかしい?健全な男子高校生やったら、考えることは一つやろ、なあ葉月」
姫条に言われて、俺はもちろんのことを考えていた
俺にとって彼女への思いは
ひと夏のロマンスで済まされるような感情では無いから・・・
姫条のいう話とは、全部一致はしない
けれど・・・、何かが欲しい・・・・そんな思いは俺にもある
「だいたい、何で俺と紺野なんだよ?俺らはただの・・・」
「和馬くん、そういう言い方は男として「いかん」と思うで
珠美ちゃんのこと見とったら、お前に惚れてるのは見えみえやろ」
「な、なんだよ、そ、そんなこと」
「で、同じように、お前も珠美ちゃんのこと好きやろ?」
「な、な、な、なんつーこと言いやがる!!」
はっきりとそう言う姫条に押されて、鈴鹿は顔を真っ赤にしている
姫条は、「ふっ」と笑うと俺のほうを振り返り、こう続けた
「なあ、葉月、お前今日のこと、アイツから聞いたやろ?」
「アイツ」は、もちろん藤井で・・・
姫条と藤井は・・・、周りの誰が見ても・・・何も言えない位
夫婦漫才状態で・・・、いいたい事をポンポンと言い合っていた
俺には、二人が付き合っているかどうかは解からなかったが・・・
この二人のおかげで・・、今日こうしてここに来ることになったのは確かだった
「ああ・・・、・・誕生日だからって・・」
「もちろん、お前がここへ来てるっちゅうことは、その意味があるねんな」
「・・・・ん、まあ、それなりに・・・」
「アイツ、かなり力入れて準備しとったし、協力したってな?
もちろん、葉月にとっても・・・大事な日やったんやろうけど」
「ん・・・・、藤井からの電話で・・・単独行動は諦めた」
俺が苦笑すると、合わせた様に姫条も笑った
「お待たせー!海の家激混みですっかり遅くなっちゃった、ゴメンネー」
振り返ると、藤井と紺野が戻ってきた
俺は・・の姿が無いことが・・・少し気になったが・・・何もいわなかった
「はい、まどか、アンタにはこれ」
「おぉ、ありがとう、そうそうこれが欲しかったんや、自分気が利くな〜」
「うそうそ、無糖のコーヒーでまどかが満足するわけ無いじゃん
本当はビールを期待してたくせに」
「なんやバレバレやんな〜」
そう言って、姫条は藤井を見上げた
姫条は・・案外、・・・根は、優しい奴だったりするのかもしれない・・・そう思った
「紺野、おせーよ、俺の牛乳は?」
「はい、和馬くん、あちこち探してようやく見つけたよ」
「牛乳くらいどこでもあんだろーが、おめえがとろくせえから見つかんねえんだろ」
「またとろいって言ったぁ〜、私だって和馬くんの為に一生懸命さがして〜」
「ああ、わかったわかった、ほら早くよこせよ」
500mlの牛乳パックを受け取ると、鈴鹿はおもむろに飲み始めた
紺野は文句を言われているのに、どう見ても嬉しそうに
鈴鹿が牛乳を飲む様子を、見つめている
こいつらも・・・・、いいコンビだ・・・そう思った
「ゴメンネ、葉月くん、遅くなっちゃった」
二組のカップルと少し離れて一人で海を見ていた俺のところに
ようやく・・・が戻ってきてくれた
「いや・・・、別に・・・何かあったのか?」
「うん、海の家にはいつものお水売ってなくて
通りの向こうのコンビニに行ってきたよ」
差し出されたミネラルウォーターのボトルは
俺たちがいつもデートする森林公園の売店で売っている銘柄
「わざわざ・・・悪かった、サンキュ・・・」
冷えた水を・・・、受け取ると・・
は・・・にっこりと笑って、俺の横に座り
俺たちは揃って、ミネラルウォーターを飲んだ
二人でならんで・・・海を眺めていると・・・
(これが二人きりのデートだったら・・・)
そんなふうに・・・思ったりする
それでも、・・・この日にこうして一緒に過ごせることには感謝・・・だな
「ねえ、葉月くん、もう少し泳がない?」
「ん?・・・ああ、いいけど」
俺が答えると、は他の連中に声をかけた
「ねえ、私たちもう少し海に入ってくるけど・・・みんなは?」
の問いかけに、藤井が「アタシも」そう言い掛けたのを遮るように
「俺らはここでまったりしとるで、自分ら行ってきたらええ」
姫条がそう言い・・・、俺に目配せをする
そして鈴鹿が「俺も、腹減ったから、なんか食うもん買ってくるわ」そう言って立ち上がると
「それじゃ、私も和馬くんと一緒に海の家に行ってみるねぇ」と、紺野がそれに続いた
俺は、姫条の気づかいに感謝しつつ、と二人で海へ向かった
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